- 山口を歩く
- 連載 東アジアを歩く
- 学芸員の旅日記
- ご当地グッズ
01/23: 山口お宝展関連企画「伝 雪舟」
1月19日から2月18日まで、市内各地で開催されるイベント「山口お宝展」に関連して、当館では、展示室の一角で、小さな企画展示として、「伝雪舟」の作品を展示しております。ほかにも常設展示もご覧いただけます。
ぜひとも、ご来館下さい。
-------------------------------------------------------------
①伝雪舟の山水図
当館は、雪舟(1420~1506?)の真筆3点(いずれも重要文化財)を所蔵していますが、これ以外にも、伝雪舟の作品を数点所蔵しています。
「伝雪舟」とは「雪舟筆と伝えられるけれども、雪舟真筆かどうか、はっきりしないもの」というニュアンスがあります。その中には、真筆とは認められないものもたくさんあります。では、それらがすべて単なる「贋作」つまり「ニセモノ」であって「ダメなもの」「価値のないもの」かというと、そうではありません。
今回展示している雪舟落款の作品も、100%真筆であることが否定されたわけではありません。雪舟が生きていた時代に近い室町時代(戦国時代)15~16世紀頃に制作されたもので、たとえ雪舟真筆でないにしても、真筆を写した可能性もありますし、雪舟スタイルを色濃く反映したものでもあります。ある時期には、真筆として扱われてきました。ずいぶん立派な箱に入っているものもあり、この絵がずいぶん大切に扱われてきたことがわかるでしょう。こうした「伝雪舟」の絵もまた、雪舟がどんな絵を描いていたのか、あるいは、雪舟の絵がどのように、後世の画家たちに影響を与えたのかといったことを考える上で、様々な情報を提供してくれる「お宝」なのです。
雪舟の真筆か否か、意見が分かれる作品は、数多くあります。「伝雪舟」の絵の中に見られる「雪舟らしい表現」「雪舟らしくない表現」とはどういうものか。
こんなことを考えながら見てみるのも面白いのではないでしょうか。
果たして真実はいかに?
②山岡山泉の模写
当館には、大正~昭和初期に山岡山泉(本名: 山岡千太郎 1871~1943)という人が描いた雪舟の絵の模写があります。この人は実業家として活躍し、大正5年(1916)に引退した後、やきものを始めようと陶芸家の河井寛次郎(1890~1966)のもとで絵付けのために絵を習い始め、それが高じて古画の模写を行うようになったという、一風変わった経歴の画家です。
山泉は特に雪舟に傾倒し、雪舟の代表作の国宝「四季山水図巻(山水長巻)」(原本:毛利博物館蔵)を10回近く模写したといい、当館にも一点よくできた模写があります。
ところで、今回展示している雪舟画の模写は、実は原本(オリジナルの絵)の所在がわかっていません。今は人知れずどこかに眠っているのかもしれません。しかし、この模写が描かれた時点では、原本は、それなりに有名な作品だったのでしょう。だから、山泉が模写しているのです。
明治以降の鑑定研究の発展によって「贋作」「ニセモノ」「価値のないもの」として、葬り去られてしまったものは数多くあります。しかし、そうしたもののなかには実は「驚きのお宝」があるかも知れません。
ここに展示してある山岡山泉の模写の原本をご存じの方は、是非、当館にご一報下さい!
12:47:11 PM 更新 ぜひとも、ご来館下さい。
-------------------------------------------------------------
①伝雪舟の山水図
当館は、雪舟(1420~1506?)の真筆3点(いずれも重要文化財)を所蔵していますが、これ以外にも、伝雪舟の作品を数点所蔵しています。
「伝雪舟」とは「雪舟筆と伝えられるけれども、雪舟真筆かどうか、はっきりしないもの」というニュアンスがあります。その中には、真筆とは認められないものもたくさんあります。では、それらがすべて単なる「贋作」つまり「ニセモノ」であって「ダメなもの」「価値のないもの」かというと、そうではありません。
今回展示している雪舟落款の作品も、100%真筆であることが否定されたわけではありません。雪舟が生きていた時代に近い室町時代(戦国時代)15~16世紀頃に制作されたもので、たとえ雪舟真筆でないにしても、真筆を写した可能性もありますし、雪舟スタイルを色濃く反映したものでもあります。ある時期には、真筆として扱われてきました。ずいぶん立派な箱に入っているものもあり、この絵がずいぶん大切に扱われてきたことがわかるでしょう。こうした「伝雪舟」の絵もまた、雪舟がどんな絵を描いていたのか、あるいは、雪舟の絵がどのように、後世の画家たちに影響を与えたのかといったことを考える上で、様々な情報を提供してくれる「お宝」なのです。
雪舟の真筆か否か、意見が分かれる作品は、数多くあります。「伝雪舟」の絵の中に見られる「雪舟らしい表現」「雪舟らしくない表現」とはどういうものか。
こんなことを考えながら見てみるのも面白いのではないでしょうか。
果たして真実はいかに?
②山岡山泉の模写
当館には、大正~昭和初期に山岡山泉(本名: 山岡千太郎 1871~1943)という人が描いた雪舟の絵の模写があります。この人は実業家として活躍し、大正5年(1916)に引退した後、やきものを始めようと陶芸家の河井寛次郎(1890~1966)のもとで絵付けのために絵を習い始め、それが高じて古画の模写を行うようになったという、一風変わった経歴の画家です。
山泉は特に雪舟に傾倒し、雪舟の代表作の国宝「四季山水図巻(山水長巻)」(原本:毛利博物館蔵)を10回近く模写したといい、当館にも一点よくできた模写があります。
ところで、今回展示している雪舟画の模写は、実は原本(オリジナルの絵)の所在がわかっていません。今は人知れずどこかに眠っているのかもしれません。しかし、この模写が描かれた時点では、原本は、それなりに有名な作品だったのでしょう。だから、山泉が模写しているのです。
明治以降の鑑定研究の発展によって「贋作」「ニセモノ」「価値のないもの」として、葬り去られてしまったものは数多くあります。しかし、そうしたもののなかには実は「驚きのお宝」があるかも知れません。
ここに展示してある山岡山泉の模写の原本をご存じの方は、是非、当館にご一報下さい!