Tag for "仏像"

12/11 : 康慶の背中



本日、会場内をぶらっと歩いておりましたら、ある高名な先生(M先生としておきます)にばったりお会いしました。そして、たいへん興味深い御教示をいただきました。それは、この康慶作のお地蔵さん(勝手に愛称「ハンサム地蔵さま」)の背中の表現についてです。

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12/11 : マンモー相


お客さんの様子を時々会場で観察しています。

すると時折、仏さまの手を熱心に眺めておられる方をお見かけします。どうやら、手相が気になるようですね。
私は手相のことは全くわからないので、仏さまの手相がどうなっているか、さっぱりわかりません。本展覧会では、制作当初の「イイ」手がついている仏さまが多いので、手の表情の豊かさも堪能いただけるように思います。

仏さまの手の特徴として「水かき」があります。とくに親指と人差し指の間にはっきりみえるものがあります。
これを「縵網相(まんもうそう)」といいます。水かきで多くの人をすくってくださるためといいます。

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前回の螺髪に続いて、本日は、肉髻の話をしましょう。

肉髻【にっけい、にくけい】
肉の髻(もとどり、まげ)って何なのでしょう?
肉髻は、仏さまの頭上にある盛り上がったコブのことです。長い髪を円く束ねたマゲの形をしているので、肉の髻というわけです。
肉髻は仏さまの三十二相の一つで、仏さまが仏の人間よりも智慧が優れていることをあらわすといいます。密教では、この肉髻が独立して仏さまとなった「仏頂尊」がいて、肉髻の存在は重要です。

また、肉髻は、仏教美術の中で「これがブッダだ」と一目見てわかるもっとも重要な特徴といえるでしょう。その大きさや盛り上がり方は、時代によっても色々に移り変わるので、様々なバリエーションが見られます。

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12/09 : ラほつ


仏さまの頭がパンチパーマみたいになっているということは、よく知られています。このパンチパーマのようにつぶつぶの髪のことを、髪の毛が螺旋(らせん)状に巻いているということで、螺髪(らほつ)といいます。
東妙寺釈迦如来像
三岳寺薬師如来像
慧日寺釈迦如来像

仏像の螺髪は、東妙寺像のように一つ一つ取り付けるものもありますが、鎌倉時代以降は頭と同じ材から彫り出すのが普通です。また、巻き毛を刻んでいますが、これらの向きは、

こんなふうに巻いていて、右巻きになっているというのも特徴です。


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昨日は、当初の状態を重んじるという立場から、むやみに手を付け加えたり、鮮やかな彩色をすべきでないことをいいましたが、
これも、ひとつの極論にすぎません。


これは、1997年に佐賀県立美術館で開かれた展覧会『佐賀の信仰と美術 いのりのかたち』(1997/1/25-3/2)図録に載っている写真ですが、どの仏像かわかりますか?


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何気なく使っていた言葉ですが、人から指摘されて気付いた、我々仏像研究者の間で使われている「業界用語」です。

「イイ」=制作当初の部分
「ダメ」=後補部分

という定義です。でも、いくら修理したからって
「ダメ」はあんまりでしょう?

昨日の新聞記事にあった後世の塗り直しの話を読んで
「イイ」「ダメ」の話を思い出しました。

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11/26 : 顔料分析


本日の朝日新聞朝刊の文化欄に「室町仏像に江戸期の『緑』」という見出しで、現在展覧会で出陳中の圓教寺金剛薩埵像(作品30)の写真が載ってました。
残念ながら、記事自体は(他紙ということもあり)展覧会のことには触れられていません。

台座の彩色が当初より新しいことは、さすがに見る目のない私でも、見た印象でわかりましたが、19世紀の人工顔料が使われていたというのは、ちょっと驚きでした。

表面の仕上げが、当初か後世の修理かという問題は、今回の展覧会におでましのほとけさま全体に関わる問題でもあります。
この問題については、以前から思うことがありますので、また取り上げてみたいと思います。
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いま、ここに記念講演会の講師である山本勉先生の名著、『仏像のひみつ』の初版本(左)と第10刷(右)があります。

初版が出たのが2006年6月。第10刷が出たのが今年の10月。
いかに、この本が人気が高いかよくわかります。
(言っておきますが、私は出版社のまわし者ではありません)

どうして、この本がそんなに人気があるのでしょう。
決して「運慶仏の発見者」といった宣伝文句だけではないはずです。

講演会のあと、山本先生との雑談の中で出た話でわたしはその「ひみつ」の一つがわかったような気がしました。

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会場入ったすぐの場所にある三岳寺の十一面観音像
面(かお)が十一あるから十一面という説明を付けています。

ところが、じっさいにかぞえてみると、頭上の面は、7つしかありません。お客さんが数を数えているのをたまたま見かけて
「しまったなー」と思いました。

幸いお像の背面からみると、頭上の顔が抜け落ちたあとがみえます。さらに中心のマゲの頂上にも面をつけていたはずなので、十一あった面のうちの4面がたりなかったのです。

本展覧会に出陳されている十一面観音像で頭上面が十一あるものはひとつもありません。
説明不足だったかなと思いましたが、お客さんもさすがにそれはおわかりになったのでしょう。「なんでこれが十一面なんだ」という質問はいまのところなさそうです。
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11/20 : 光る仏

本展覧会で、最も大きな仏像は、福岡・善導寺の釈迦如来像です。
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この写真からは大きさがわかりにくいですが、坐像で像高170cm。ずいぶん大きな像です。

この像は、近年の修理によって金ピカの姿をしています。この金ピカの大仏さまも、どうやら高校生に人気があるようです。
このことをどう考えたらいいのでしょうね。
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